小児矯正で大切なのは治療をするだけじゃない?子どもの気持ちに寄り添う治療とは

「子どもの歯並びが気になるけれど、矯正を始めるべきか迷っている」
「治療を嫌がらないか心配…」など、お子さまの小児矯正を考える親御さんの中には、このように考える方がいらっしゃいます。
矯正治療というと、“歯並びを整える”というイメージがまず浮かぶことだと思います。しかし実際には、治療を受けるお子さま自身の気持ちや性格、生活環境にも配慮しながら進めていくことがとても大切です。
今回は、小児矯正における心のケアにも注目しながら、親御さんが知っておきたいポイントについて解説していきます。
矯正治療での子どもの心の負担
小児矯正は、歯並びを整えることだけでなく、お子さま自身が安心して治療に取り組めるよう、気持ちの面にも配慮しながら進めていくことが大切です。
ついつい親御さんばかりが一生懸命になってしまうこともありますが、お子さまを第一優先で進めていきましょう。お子さまに起こり得る心の変化や気持ちについて考えていきましょう。
見た目や装置を気にするケース

大人が思っている以上に、子どもは周囲からどう見られているかを気にしています。
特に小学校高学年から中学生頃になると、友達との違いや見た目に敏感になることが多いです。そのため、矯正装置をつけることに対して、「目立つのが嫌」「からかわれたらどうしよう」と不安を感じる子もいます。
また、写真を撮るときに口元を隠したり、人前で笑うのをためらったりするなど、歯並びそのものがコンプレックスになっているケースもあり、お子さま自身が「歯並びを治したい」と感じていることもあります。
親の考えだけでなく、お子さま自身がどのように感じているのかを知ることが大切です。
慣れない装置や通院にストレスがあるケース
小児矯正では、マウスピース型の装置や拡大装置などを使用することがあります。
しかし、初めて装置をつけたときは、「しゃべりにくい」「違和感がある」「痛い気がする」と戸惑う子も多いです。
また、食事や歯磨きの方法が変わったり、定期的な通院が必要になったりするので、生活の中に小さなストレスが積み重なることがあります。
特に、もともと変化が苦手なお子さまや、繊細な性格のお子さまは、周囲が気にかけてあげることが大切です。
子どもの性格によって感じ方は大きく違う
同じ治療内容でも、子どもの反応はそれぞれ異なります。
新しいことに前向きに取り組める子もいれば、不安が強く慎重な子もいます。また、痛みに敏感な子、周囲の反応を気にしやすい子など、感じ方には個人差があります。
兄弟であっても反応が全く違うことも多いでしょう。
そのため、「お兄ちゃんは平気だったのに」「他の子は頑張っているのに」と比較してしまうと、お子さまにとって大きなプレッシャーになることがあります。
お子さまそれぞれに寄り添ってあげることが大切です。
お子さま自身が納得して治療を始めることが大切
小児矯正の相談を受けていると、時々お子さま自身が、あまり乗り気じゃないケースに遭遇することがあります。親御さん自身は、子どものためを思って積極的に考えていても、お子さま自身は「別にいいかな」と考えているようなケースです。
矯正治療は、本人の協力が必要不可欠な治療です。
お子さま自身が納得して治療を始めることが大切になります。
お子さまと治療の向き合い方についてのポイントを知っておきましょう。
まずは子ども本人の気持ちを聞いてみる
小児矯正は、親御さんだけが頑張っても続けることは難しい治療です。
装置を使うのも、通院するのも、お子さま自身です。
ですから、まずはお子さま自身が、矯正治療についてどう思っているか、聞いてみるようにしましょう。
「本当は嫌なのに言えなかった」
「よくわからないまま始まって不安だった」
このような気持ちを抱えているケースもあります。
特に小さいお子さまは、自分の不安をうまく言葉にできないこともあります。どうして嫌なのかを問い詰めるようなことはせず、「どんなことが心配?」と気持ちを引き出して理解をしてあげるようにしたいものです。
矯正治療の目的をわかりやすく伝える
子どもにとって、「なぜ矯正をするのか」が理解できないまま治療が始まると、前向きに取り組むことが難しくなる場合があります。
そのため、年齢に合わせてわかりやすく説明することが大切です。理由や自分自身のメリットがわかると、矯正治療に積極的になれることも多いです。
例えば、
- 歯磨きがしやすくなる
- しっかり噛めるようになる
- 将来の歯を守りやすくなる
- 見た目がきれいになる など
子ども自身に関係するメリットを伝えることで、納得につながることがあります。必要に応じて写真などを見せるのも良いでしょう。
「きれいな歯並びにするため」だけでなく、“健康のための治療”という視点も大切です。
小さな成功体験が継続につながる
小児矯正では、「できた」という経験を積み重ねることが大切です。
装置をしっかりつけられた時、口腔機能の体操がしっかりできた時など、小さなことでも認めてもらえると、自信につながります。
反対に、「なんでできないの?」と叱られることが続くと、矯正そのものが嫌になってしまうこともあります。
責めるのではなく、寄り添ってあげることを大切にしたいものですね。
小児矯正での親御さんの関わり方

小児矯正を無理なく続けていくためには、お子さまだけでなく、親御さんの関わり方もとても重要なポイントになります。
「頑張らせる」より「寄り添う」姿勢を
小児矯正では、親御さんのサポートが欠かせません。
しかし、「ちゃんとやりなさい」と厳しく管理しすぎると、お子さまがプレッシャーを感じてしまうことがあります。
もちろん、装置の使用や通院を習慣化することは大切ですが、うまくいかない日があるのも自然なことです。
「頑張っているね」など、気持ちを受け止めてもらえると、お子さまは安心して治療を続けやすくなるでしょう。
周囲と比べすぎないことも大切
矯正治療の進み方には個人差があります。
装置への慣れ方や歯の動き方、モチベーションなども、一人ひとり異なります。
周りの子どもや兄弟と比較してしまうと、自信を失ってしまうことがあります。
特に、真面目なお子さまほど、「自分はできていない」と感じて落ち込んでしまうこともあります。
小児矯正では、その子自身のペースを大切にすることが重要です。
医院と一緒にサポートしていく意識を持つ
矯正治療中に困ったことや不安が出てきた場合は、早めに医院へ相談することも大切です。判断が難しい場合には、親御さん自身で判断しようとせず、歯科医院を頼ってください。
例えば、
- 装置を嫌がる
- 学校生活で気にしている
- 歯磨きがうまくできない
- 通院を嫌がる など
どんな小さなことでも相談することで、解決につながる場合があります。
お子さまの性格や生活背景を医院と共有しておくことで、その子に合ったサポートをしてあげられることもあります。
まとめ
小児矯正では、「歯並びを治す」ということだけでなく、お子さま自身の気持ちへの配慮がとても重要です。
装置への不安や学校生活での悩みなど、子どもなりにさまざまな気持ちを抱えていることがあります。
無理に進めるのではなく、お子さまが安心して取り組める環境を整えながら、少しずつ進めていくことが大切です。
困ったことがあったら、気軽にご相談ください。
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この記事の執筆者
なぎ歯科クリニック大島 理事長 杉本義樹 歯科医師
地域に根ざした歯科医療を大切にし、インプラント治療・予防歯科・審美歯科など幅広い診療に対応。 患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な説明と治療を心がけています。
