マウスピース矯正で治せる歯並びは?治りにくい症例も解説!

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して、歯並びを治す方法です。
装置が目立たないので、矯正中の見た目が気になる方に人気の矯正方法です。
今回は、マウスピース矯正で治療可能な歯並び(不正咬合)について解説していきます。
マウスピース矯正ってどんな治療?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースの形をした装置を装着して、歯並びを治す矯正治療法です。装置が目立たないこと、取り外しができることが特徴です。矯正治療が完了するまで、全体矯正で平均して40枚から60枚程度のマウスピースを使用します。
マウスピース矯正では、一定期間が経過するごとに、次の段階のマウスピースに交換することで、徐々に歯を動かしていきます。
マウスピース型矯正システムには様々なものがあり、代表的なものでは、インビザラインがあります。
インビザラインは、マウスピース矯正の世界シェアNo1のシステムです。世界100カ国以上の国々で提供され、900万人を超える方が治療を受けています。
当院ではインビザラインのほか、精密なシミュレーションで定評のある「Sure Smileアライナー」を取り扱っています。
マウスピース矯正で治せる歯並びは?

マウスピース矯正は、多くの不正咬合に適応することができます。
不正咬合とは、歯並びや噛み合わせが悪い状態のことを指します。
マウスピース矯正で治せる不正咬合について解説していきます。
叢生(そうせい)
歯並びに凸凹のある状態で、乱杭(らんぐい)歯とも言われます。
ひと昔前にチャームポイントの一つにも挙げられた「八重歯」も叢生の一種です。最近では、八重歯をかわいいとはあまり言わなくなってきました。
叢生の主な原因は、歯の大きさと顎の大きさのアンバランスにより、歯が並ぶスペースが足りないことです。
叢生の問題点は見た目だけではありません。汚れが溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。軽度から中等度の叢生であれば、マウスピース矯正で治療をすることが可能です。
抜歯が必要な重度の叢生では、歯を動かす距離が多いため、マウスピース矯正のみでは治療が難しいことがあります。
空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間がある状態で、すきっ歯とも言われます。特に前歯の歯の間に隙間があることで審美性を損ないます。
また食べ物が詰まりやすかったり、隙間から息が漏れてサ行やタ行が発音しづらいなどの問題があります。
空隙歯列はマウスピース矯正で治せる歯並びです。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の前歯が前に出ている歯並びです。出っ歯とも言われます。
コンプレックスに感じやすい見た目で、唇がうまく閉じないなどの問題がある場合があります。
歯の位置や向きのみが問題の上顎前突は、マウスピース矯正で治すことができます。
しかし、顎の骨の大きさなど、顎の骨自体に問題がある場合には、外科的な治療も必要になることがあります。
反対咬合(はんたいこうごう)
下の歯が上の歯よりも前に出ている歯並びです。受け口とも言われます。顎がしゃくれているようになり、見た目をコンプレックスに感じる方も多いです。
見た目も問題に加えて、滑舌が悪くなったり、奥歯に負担がかかったりすることがあります。
上顎前突の場合と同様に、歯の位置や向きにより反対咬合になっている場合は、マウスピース矯正のみで治すことができます。しかし顎の骨自体に問題がある場合は、外科的な治療も必要になることがあります。
開咬(かいこう)
上下の歯を噛み合わせた時に、前歯が噛み合っていない状態です。
指しゃぶりの癖や舌を前に出す癖が影響して、開咬になることが多いです。
前歯がうまく当たらないので、奥歯の負担が大きくなりがちです。また唇が閉じづらくしっかり閉じようとするとシワが寄ってしまうことがあります。
マウスピース矯正で治療が可能です。比較的マウスピース矯正が得意とする不正咬合だと言われています。
過蓋咬合(かがいこうごう)
噛み合わせが通常以上に深くなっている状態です。
上下の歯を噛み合わせた時に下の前歯が見えなくなるほど深く噛み合っています。下の前歯は上顎の粘膜にあたり、傷つけてしまうことや、顎関節へ悪影響が出ることがあります。
マウスピース矯正で治療が可能ですが、比較的難しい症例になります。綿密な治療計画が重要です。
マウスピース矯正で治りにくい症例

マウスピース矯正は、多くの不正咬合に対応できる矯正方法ですが、治りにくい症例もあります。具体的に紹介していきます。
重度の叢生・抜歯を必要とする症例
重度の叢生など、歯並びが極端に悪い場合、歯を大きく動かす必要があり、歯にかかる力が比較的弱いマウスピース矯正は向いていないことがあります。
また抜歯を必要とするような症例では、歯を大きく動かす必要がありますので、難しいことが多いです。
抜歯が必要な症例が、必ずしも適応できないわけではありません。ワイヤー矯正の方がスムーズに治療が進むこともあるので、歯科医院で矯正方法をよく相談して決めていくのが良いでしょう。
骨格的な問題で歯並びが悪い症例
上顎や下顎の骨格的な不調和が、不正咬合の原因になっている場合には、マウスピース矯正だけで治療をすることはできません。
外科的治療を検討する必要が出てきます。
先天的な病気等で、骨格的な問題がある場合には、治療自体が保険適用となる場合もあり、その場合は専門的治療を行える病院での治療になることもあります。
まとめ
マウスピース矯正は、様々な不正咬合の治療を行うことができる矯正方法です。
しかし、歯並びの状態によっては適応外になることもあります。
そのような場合は、マウスピース矯正よりも適応範囲が広いワイヤー矯正であれば、治療が行える場合もあります。
矯正治療前には、必ずお口の中全体の検査を行いますので、適した治療方法をご案内させていただきます。
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なぎ歯科クリニック大島 院長 杉本義樹