インプラント治療をしたい方へ、知っておきたいインプラント周囲炎!

インプラント治療は、歯を失った場合の治療法の一つで、顎の骨に直接人工歯根を埋め込む治療法です。顎の骨一体化するので、自分の歯のように使用することができます。
今回はインプラント治療を希望する方には、ぜひ知っておいていただきたい「インプラント周囲炎」について詳しく解説していきます。
インプラントとは

最初にインプラントについて詳しく知っておきましょう。
インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に上部構造である人工歯を取り付ける治療法です。外科手術が必要です。
顎の骨に直接人工歯根を埋め込んでいるので、しっかりと噛むことができて違和感もありません。
歯を失った場所の独立した治療法なので、周囲の歯を削る必要もなく、周りの歯の健康を保ちながら治療をすることができます。
天然の歯のような自然な見た目で審美性も高いです。
保険が適用されないため、治療は自費治療になります。
歯科医院ごとに費用が異なりますが、費用の相場はインプラント1本あたり30万円〜50万円程度で、別途検査料やオプションなどの費用がかかることが多いです。
当院では、インプラントにかかる費用についてわかりやすくご提示させていただいています。
当院のインプラント費用はこちら (当院Webサイト内の治療費のページへ)
インプラント周囲炎ってなに?
インプラントは、人工物なので虫歯にはなりませんが、天然歯でいうところの歯周病に罹患することがあります。
インプラント周囲に歯周病菌が感染すると、インプラントの周りの歯ぐきや骨に炎症を引き起こす「インプラント周囲炎」になります。
インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病よりも進行が早いという特徴があります。放っていくどどんどん進行していきます。
インプラント周囲炎はインプラントの寿命に大きく関係があります。
進行すると、インプラント周囲の骨が破壊され、インプラントはグラグラと動くようになります。重度の場合は、インプラントを撤去せざるを得ません。
インプラントを長く使い続けるためには、インプラント周囲炎を予防することが大切です。
インプラント周囲炎の予防方法

インプラント周囲炎の予防には、次の3つの方法があります。
- 毎日のセルフケア
- 歯科医院での定期的なメンテナンス
- インプラント周囲炎を進行しやすくするリスクファクターの管理
どれか一つを行うのではなく、どの方法も実践することが大切です。
毎日のセルフケア
毎日の歯磨きでしっかり汚れを取り除き、歯周病菌を含む歯垢(プラーク)が歯についたままにならないようにすることが大切です。
歯ブラシだけでケアするのではなくても、歯間ブラシやデンタルフス、一束の筆のようになったワンタフトブラシなどの清掃補助用具も適宜利用するのがおすすめです。
当院では、患者様に合ったセルフケアのポイントや清掃補助用具の使用方法もお伝えしていきます。
定期的な歯科医院でのメンテナンス
インプラント治療後は、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることをおすすめしています。定期検診では、次のような検査や施術を行います。
- インプラント周囲の歯ぐきのチェック
- インプラント周囲に付着したプラーク(歯垢)や歯石の除去
- 噛み合わせのチェック など
必要に応じてレントゲン写真を撮影して、インプラント周囲の骨の状態を確認します。
当院のインプラント治療後は、継続的なメンテナンスを実施できるサポート体制が確立されています。
お口の傾向やむし歯などのリスク、ライフスタイルなどを理解した担当医・歯科衛生士が術後もしっかりサポートします。
インプラント周囲炎を進行しやすくするリスクファクターの管理
主なリスクファクターは次の通りです。
- プラーク(歯垢)
- 糖尿病
- 喫煙
- 歯周病の既往歴
- 噛み合わせの問題
この中で、喫煙や糖尿病については、歯科医院でのケアや毎日のセルフケアとは別に注意が必要な項目です。
特に喫煙やコントロールができていない糖尿病は、インプラント周囲炎のリスクが高くなります。
喫煙のある方は、初めからインプラント治療を勧めないこともあります。
インプラント治療をする場合には、インプラント埋入後に快適に使用し続けるためにも、禁煙をおすすめします。
糖尿病は歯周病と相互に深い関わりがあり、インプラント周囲炎とも関わりがあります。コントロールされていない状態ではインプラント治療自体を行うことができませんが、インプラント埋入後に糖尿病が悪化した場合には、糖尿病の管理とインプラント周囲炎の管理、両方注意していく必要があります。
インプラント周囲炎になってしまったら?
インプラント周囲炎になってしまった場合には、炎症が進行しないように治療を行います。
インプラント周囲炎の進行度別に対応を解説します。
軽度から中程度の場合
インプラント周囲炎の状態が軽度から中程度の場合は、徹底したセルフケアと歯科医院で行うプロケアにより、炎症が抑えられる可能性が高いです。
歯科医院では、専用の器具でインプラント体表面のプラーク(歯垢)や歯石を除去していきます。天然歯に使う清掃用具とは異なります。
そして、自宅でのセルフケアを十分に行うことができるよう、ブラッシング方法を詳しくお伝えさせていただきます。
急性炎症が起きている場合など、必要に応じて抗生物質(内服や局所投与)を使用することがあります。
中程度から重度の場合
インプラント周囲の顎の骨の吸収が進行している場合には、外科的な処置が必要になることがあります。
歯ぐきを切開してインプラント体(人工歯根)を直接見えるようにして、表面の歯垢や歯石、感染組織を除去します。
骨の吸収が大きい場合には、骨を再生する施術を行うこともあります。
インプラントの撤去
ここまでに解説してような治療をしても改善されない場合には、最終手段としてインプラントを撤去することになります。
感染を起こしたインプラントを放置することで、周囲の歯の周りにまで炎症が広がることは避けなくてはなりません。
当院では、インプラント治療を行っています。
インプラント治療をご希望の方は、術前にCTを撮影してお口の状態を診断し、治療法の特徴やメリット・デメリットとともに治療計画をわかりやすく丁寧にご説明します。
治療後の安心のサポート体制も定評です。
インプラント治療にご興味がある方は、カウンセリングも行っていますので、お気軽にお尋ねください。
当院のインプラント治療はこちら
なぎ歯科クリニック大島 理事長 杉本義樹